令和8年(2026年)5月、姫路市安富町皆河の旧古井家住宅「千年家」が、国宝指定を受けることとなりました。姫路市では、姫路城につぎ2件目の国宝となり、山間部の集落にひっそりとたたずむ「室町時代の民家として史上初の国宝」が出現することになりました。
これも、地元の有志の方々の献身的な管理の賜物と感謝をしたいと思います。
私は小学生のころ「千年家」には何回か遠足などで行った記憶があります。同級生の女の子が「千年家」で実際に生活していたこと、台所に大きな水ガメがあったこと、居間に黒光りした囲炉裏があったことが印象に残っています。
古井家には「亀石の水を噴き出すお守り石」の伝承があります。江戸時代周辺の集落が2度の大火事に見舞われた際、この亀石から水が噴き出し、古井家だけを火災から守りぬいたというもので、古くから厄除けとして信仰されています。
古井家住宅は昭和40年(1965年)、国の重要文化財に指定されており、昭和42年に解体修理が行われ「室町時代の姿」に復旧されています。文化財と生活の場の両立は困難であり安富町が「千年家」を買取り一般に公開してきました。その後、平成18年(2006年)に姫路市との編入合併があり、令和8年(2026年)5月に国宝指定を受けることとなりました。
当社、(株)ヤス測量設計は、平成11年、12年(2000年)と安富町役場から「千年家公園整備事業」の委託を受け、「測量、設計、工事管理」業務に関わらせていただきました。
当時は千年家の敷地南側は現在の千年家敷地より1.0m程度高い、古井家住居敷地となっており、千年家敷地が圧迫された感じで、計画地盤の設定が悩ましいものでした。結果的にその宅地を切り下げ、千年家敷地前をできるだけ広くして公園化を図り、進入路のアプローチをスムーズにすることに努めました。また、山側の急傾斜地の安全確保と景観設計に配慮したものとしました。ただ、千年家敷地前の道路は狭く、土砂の搬出、資材の搬入が大変だったことを思い出します。


当時の工事中の写真は見当たらず残念ですが、奇跡的に下記の「現況平面図」(工事前)と「竣工平面図」の2枚が「古いコンピューター資料」の中から発見できました。
(株)ヤス測量設計 相談役会長 中谷康夫